色彩コラム 色歳時記色彩コラム 色歳時記

vol.7 溶け込む「茶色」

春は別れと出会いの季節。卒業や入学、就職など新生活を迎える人も増えてどことなく空気がソワソワしますね。新しい環境になじめるかな…と不安を感じている人は、菜の花のような黄色を取り入れてみませんか。色彩心理学では、黄色は「コミュニケーションカラー」とも呼ばれ、身につけると気持ちが明るく表情も豊かになるといわれています。ネクタイやスカーフなど顔まわりに黄色を取り入れると、若々しく親しみやすい印象を持たれるはずです。

ただし黄色は実際よりも大きく見える膨張色なので、第一印象をスリムに見せたい方は身につける面積にご注意を。遠くからでもよく目立つ黄色は、信号や標識・子供の通学帽やカバンなど、安全のため注意喚起が必要なものによく使われます。色の組み合わせで最も視認性が高いのは黒地に黄色、次点は黄色地に黒だといわれています。明度差が大きい黄色×黒の配色は夜間でも見やすく、踏切や立入禁止の表示でもおなじみですね。

一方、黄色×白のように明度差の小さい配色は視認性が低く、使い方によっては不親切になることも。特に白内障を患う人が増える高齢者には見分けづらい配色なので注意が必要です。もし身近な人が食事の時間に以前ほど楽しそうではないな…と感じられたら、お茶碗を白や淡色ではなく、黒など濃い色のものに変えてみるのも一案です。白いご飯をよそった時にコントラストが映え、食欲を誘います。このようにメリハリのある色使いは高齢者にも認識しやすく、食事の時間を楽しめる環境づくりにも役立ちます。

インテリアに黄色を使用する場合は、壁や天井など広い面積にはクリーム色やベージュなどやわらかい色を用いると朗らかな空間になります。アクセントにはオレンジやピンクなど明るい色を使うのもよいでしょう。家の外まわりに使う場合は、オレンジや茶色寄りの温かみのある黄色だと白壁や木部にもなじんでよく映えます。花壇の花やポストなどに鮮やかな黄色がのぞくのも素敵ですね。春は屋外作業にも最適な季節です。新しい色を取り入れてリフレッシュしてみませんか。

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