2023.10.05
窯業系サイディングとは、セメント質原料や繊維質原料、混和材からなる混合原料を成型し、養生硬化させた外壁材です。
窯業系サイディングは丈夫で長持ちすると言われていますが、長年風雨にさらされている外壁は、どうしても経年劣化し、外壁にクラック(ひび割れ)が生じてしまうと、そこからさらに劣化が進行します。サイディングが腐食することも。
最悪の場合、外壁ごと修理することになりかねません。そうなる前に、早めの対処が必要です。
そこで本記事では、補修材を使用して自分でDIYできるサイディング補修の方法をご紹介します。また、補修の注意点やクラックの種類・原因も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
サイディング補修する前に、外壁がどのような状態になっているのかを確認しましょう。まずはどのくらいのダメージなのか知っておく必要があります。
以下の4つのポイントを押さえて確認していきましょう。
外壁全体を観察し、小さなひび割れから大きなひび割れまで、すべての種類のひび割れを確認します。窯業系サイディングのひび割れは、外部からの要因や建物の収縮と拡張によって発生しやすい傾向があります。
次に、塗装にはがれがあるかどうかを確認します。はがれた塗装は、外壁を保護できなくなり、外観にも影響を与えてしまいます。
また、カビや苔などがあるかも合わせてチェックしましょう。カビは苔は、水分がない場所には発生しません。発生している場合は、サイディングの防水性に問題があり、すでに劣化し始めている可能性が高いと考えられます。
外壁に凹んだ部分や突き出た部分があるかどうかを確認します。凹凸が確認できた場合は、外壁の劣化や変形の兆候であるかもしれませんので注意してください。
また、外壁を触ると手に白っぽい粉が付着している場合は、塗膜が劣化しチョーキング現象が起こっている可能性があります。
吸水と乾燥により変形したサイディングの反りは、隙間から雨水や湿気が侵入し、建物の内部に損害を与える可能性があります。
さらに サイディングの変形が大きいと、割れてしまう危険があるので早めの対応が必要です。
コーキングは経年劣化や施工不良などによってひび割れを起こすことがあります。
コーキングはシーリング材とも呼ばれ、サイディングなどの目地や隙間などに充てんすることで、水や空気を中に通さない役割を持つペースト状の材料です。
放置すると雨漏りやカビの発生などにつながるため、サイディング補修と同時進行するのがおすすめです。
それでは早速、サイディング補修の方法をご紹介します。以下に手順をまとめました。
また、下記にコーキングを補修する方法も解説しているので、併せてご覧ください。
サイディング補修の施工に必要な工具は以下の通りです。
また、作業するにあたり、動きやすくて汚れても良い服装で行ってください。必要であれば、脚立を用意しましょう。ただし、脚立を使用して無理に作業すると足を滑らせて落下してしまう危険性があるので、高い場所にひび割れがあるときは、無理せずプロの業者に依頼するのがおすすめです。
補修を始める前に、ワイヤーブラシやスクレパーでサインディングの表面に付着している汚れやカビ、塗料のはがれ、また 他の不純物を取り除きます。
汚れを取り除くことで、パテがしっかり付着し、耐久性を高められます。中性洗剤を使用した場合は、水でよく流して、しっかり乾かしてから作業に取りかかりましょう。
サイディングの補修箇所の周りにマスキングテープを貼ります。これによって補修箇所以外の部分の汚れを防ぐことができ、きれいに仕上がります。
サイディングの補修箇所に適切な量の補修材を充てんします。必要であればプライマー(下塗り材)を塗り、表面を固めます。補修材はサイディングの表面に平らになるように均等に充てんすることが大切です。
終了したら補修材が完全に硬化して固まるまで待ちます。補修材の硬化時間は、商品によって異なるので、商品の説明書の指示に従いましょう。
補修材の硬化後、サンドペーパー(#180〜#280)を使用して補修箇所が平らになるように削ります。サンドペーパーの粗さは、状態に応じて選択してください。
また、補修箇所を塗装する場合は、2日以上経ってから行います。
コーキング補修の方法は、古いものを除去して新しく充てんする「打ち替え」とそのまま新しいコーキング材を上から充てんする「増し打ち」の2つに大別されます。
ひび割れしている場合は増し打ちしても意味がないため、ここでは打ち替えの方法をご紹介します。
サイディングの補修とコーキング補修の順番は、基本的にどちらが先でも後でも問題ありません。
また、下記ではモルタルのひび割れをDIYで補修する方法を解説しているので、気になる方はぜひご参照ください。
クラックの種類を知っておくことで、現在どのような状況になっているのかが把握できます。クラックの種類はおおむね以下の3タイプです。
それぞれクラックの特徴や原因を見ていきましょう。
髪の毛ほどの細いクラックで、モルタル外壁だけではなく、窯業系サイディングやコンクリート外壁にも見られます。
ヘアクラックは通常、幅が0.3mm以下のクラックで、窓やドアなどの開口部に発生することが多く、日光や紫外線などの自然環境の影響を受けて劣化することで、微細なひび割れが起こります。
緊急性は低いですが、長期間放置すると建物の外観や耐久性に問題をきたしてしまう可能性があります。
構造クラックは通常、幅が0.3mmを超える大きなクラックで、外壁や建物の構造内部で発生する深刻性の高いひび割れです。
構造クラックの主な原因の一つは、建物の構造的欠陥です。例えば、筋交いの不足や設計上の問題がある場合、建物が受ける想定以上の力や歪みが外壁材に加わり、構造クラックを引き起こすことがあります。
その他にも地震や地盤沈下、風圧などの外的要因も構造クラックの原因です。
開口クラックは、建物の窓や扉などの開口部周りに発生するクラックで、外壁の上下左右にわたる斜め方向のひび割れが特徴です。
このタイプのクラックは建物の安全性だけでなく、雨漏りや外壁の劣化などの問題を引き起こす可能性があります。
クラックが発生している時点で、溝がどんどん広がっていく可能性があります。
「そうは言っても建築業者に依頼するのは費用がかかる」とお考えの方に、アサヒペンのカベ用補修材「ワンタッチ サイディング用補修材」をおすすめします。
こちらは補修箇所に直接手で中身を押し出して使える「手絞りワンタッチ式」なので、DIYが苦手な方でも簡単に施工できます。仕上げ用のヘラが付いています。
付着力が強く、耐久性に優れており、補修後に水性塗料や油性塗料が塗れるのもおすすめポイント。業者に依頼するよりも安い費用で窯業系サイディングの補修ができます。
窯業系サイディングのひび割れにお困りの方は、ぜひ本製品をご利用ください。
https://youtu.be/6fIDakoW3EY?feature=shared
サイディングのひび割れを自分で修復する方法をご紹介しました。これまで「ひび割れを補修するのは難しい」と思っていた方も、作業内容を見て「意外と簡単そう」と感じたのではないでしょうか。
外壁は常に風雨にさらされ劣化しやすく、こまめなメンテナンスが必要です。しかし、毎回業者に依頼するとコストがかかってしまうので、自分で修復できる箇所があればできるだけDIYできれいにするのがおすすめ。
大切な住宅を守るために、この記事でご紹介したサイディング補修の方法で、コスパよくメンテナンスしてください。ただし、自分で対処できないと感じた場合は、無理をせず業者に依頼しましょう。